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京都で活動する演劇団体『空降る飴玉社』のブログ

奴が番長だからだ

小道具のぐるたすです。

出遅れた感がありますが、先週から続いていた「好きな物」について書いてみようと思います。

お題トップバッター冨田さんの『二万七千光年の旅』

昨日のピンク地底人五号さんの「転々」

に触発されました。役者さんではないですが、よろしければお付き合いください。

 

好きな作品は、いっぱいあるのですが、たぶん自分の根底にある好みを象徴している作品を一つ。ちょっと、今回の公演を意識して、作品を取り上げてみました。

 

空知英秋の読み切り作品「ばんからさんが通る」(2010年)

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画像は「週刊少年ジャンプ」の本誌企画「トップ・オブ・ザ・スーパーレジェンド」に掲載された時のセンターカラーです。

イラストから見て取れるように番長モノです。

 厳密に申しますと、体の一部を機械化し取り入れることが世の常という、遠い未来の時間軸に繰り広げられる学園物です。それで言うと、ライトノベルの「とある魔術の禁書目録シリーズ」のようなサイバーパンク風味なの?と言われると、なんだか首をかしげてしまう作品です。

 

 雑なあらすじを申しますと。

 機巧(サイバー)革命により人類の生活が一変した近未来。人体の一部に機械を組み込む「機人(サイバー)化」の技術によって、文明は更なる進化を遂げていた。だがその栄光の影で学園には「機巧悪漢(サイバーヤンキー)」が台頭。体に違法改造を施した不良生徒たちにより校則違反は凶悪化していた。
 サイバーヤンキーから学園を守る風紀委員長・宮本静。そんな彼女にひかれ風紀委員会書記になった茂布 茂歩太(もぶもぶた)。ある日、茂歩太は委員長が不純異性交遊をしているという噂を聞きつけ、夜の旧校舎に足を踏み入れた。 そこで見たものは、廊下で氷づけになっていた一人の不良生徒だった。
 蛮漢高校152年G組剛田猛、彼こそはサイバー革命が起こるはるか昔の学園に生息していたと言われる幻の生物「バンチョー」。

 余りの凶悪さから文武省にレベル10の自然災害レベルの問題児とみなされ、学園最終戦争(スクールハルマゲドン)において特殊風紀委員の手で「永久廊下」の刑に処せられた。彼はそれ以来、150年もの間、氷づけで廊下に立たされ続けているのだ。静の手により、封印を解かれた猛は静と茂歩太と共に行動をすることになるが…

「剛田猛167歳。趣味はタイマン。 好みのタイプはおニャン子クラブ工藤静香的なタレ目パーマのヤンキー女です。夜露死苦

 

 この物語は前述の風紀委員長・宮本静、書記・茂布 茂歩太、かつてのバンチョー・剛田猛三人によって繰り広げられます。登場人物はだいたい某国民的漫画のキャラクターの捩りです。私はこの作品を読んだとき、「人間が一部機械化している近未来が舞台では、かつてのステレオタイプな番長は旧時代の悪魔扱い」という設定にときめきました。

男一匹ガキ大将」「魁け!!クロマティ高校」「太陽の季節」など、不良モノが好きな自分にとってはテンプレート破壊をしてくる作風に胸を打たれてしまったわけです。

 

 こういう近未来モノで、ステレオタイプな人や物って「ださーい」「よわーい」とか、よく言われちゃう(扱われる)と思うのですが、この作品の旧時代的バンチョーは最強です。一度敗北して強くなるとかそういう描写は一切ありません。

「生身の超強いバンチョウと、機械化し強さを極めたヤンキーの熱いドンパチバトル」と、「時代は変わっても青春の形は変わらない」というテーマ性と、「おニャン子クラブ」が盛り込まれた作品です。

 

「取り戻してみろ。貴様の青春(はる)を」

 

「…なんで番長は校則も何も守らんかしっとるか。んなもんより護らなきゃいかんもんがあるからじゃ。」

 

登場人物の台詞回しだけでもピンとくるものがあるかもしれません。

時代劇にある、人情物のような独特の台詞回しが空知先生の特徴だと思います。もしお時間ありましたら、ぜひ単行本でご確認ください。

 

収録単行本 銀魂38巻・巻末

銀魂知らないという方でも楽しめる本編ボリュームになっています。本誌掲載時は全49ページ

コミックス化にあたって描き下ろし含めて全57ページになりました。

 

あれれ?公演の話と関係なくなってしまいました!がびーん!(死語)

 

sky-candydrop.hatenablog.com