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京都で活動する演劇団体『空降る飴玉社』のブログ「レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて」全公演無事終演いたしました。ご来場いただいた皆様ありがとうございました!

『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』を終えて

こんばんわ。
空降る飴玉社の加藤です。

『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』から2週間が経ちました。
この度は『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』にご来場いただいた方々、足元が悪い中本当にありがとうございました。この公演で”芝居が出来た”のも観に来て下さったお客様のお陰です。
そしてご協力いただいた皆様、参加してくれた座組もありがとう。


さて、二週間しかたっていないのに、レターツリーに参加してくれていた座組のメンバー達の公演がこの二週間で立て続きにありました。そして近々あります。いやあ、みんなの活躍すごいものです!
私はこの二週間、仕事に力を入れつつ、新しい戯曲のプロットを書いたり、新しく挑戦しようと狙っていたりなど……元々一人遊びが大の得意なので、毎日何かしらちょこちょことしています。



………さて、お礼の為にブログを書こうとした次第ですが、後書きみたいなものも少々。そして前回公演『So long, but』の話もちょこちょこ。

『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』を書こうと思ったきっかけは前回公演の『So long, but』を終えてしばらくしてからでした。『So long, but』という作品は、私が社会人になって初めての作品でした。そして久々の役者として舞台に立たない、脚本・演出としての挑戦の芝居で、大学では出会わなかった人達とする芝居でした。結論から言うと、とても難しかったし、こんなにひとつのものをつくるのはしんどいのかと、私が脚本・演出を初めて担った大学二年生の時と似た感情を抱きました。

『So long, but』は「鬱治療や自殺防止の為、脳に機械を埋め込み、感情をコントロールする。」『心の機械化』をした「主人公・初」と義弟で「もう一人の主人公・歩」の家族を諦めきれない人に贈る芝居でした。

もうね、本当にね、びっくりするくらいね、とてつもなく難しかった!!脚本も演出もそうだし、役者の演技や裏方が持ってきてくれたものの統一とか、自分で設けた世界観のルールが自分のプランの邪魔したりだとか。人が集まってひとつのものをつくる難しさを改めて、身をもって感じました。
それでも、観てくれる人がいて、その人達が本番中帰らずに最後まで観てくれた。これは成功である。しんどかったけれど、最後は本番迎えられて良かった。…………とは思わなかった。それだけではなかった。日本の演劇で途中で帰ってしまうなんてことはそうそうないと思う。それは、観客も観客を演じている節があるから。映画でも演劇でも。それに小劇場なんて客席同士の距離が近く、客席全体も広くない。自分が立てば他の人の妨げになるという意識があるから。それだけで成功だなんては私は思いませんでした。

もちろん楽しんでくれた人もいて、観ながら考えてくれた人もいた。座組全員真剣に最高の選択をした。だから『So long, but』という作品は本番を迎え終わった時に間違いなく完結しました。観に来てくれた人に自分たちが人に観せることができる形で観てもらう事が出来たから。改めて、その度はありがとうございました。自分自身が、演劇をつくっていく上で、もっと密に考えなければいけないものがたくさんあるのだと、終わって改めて感じました。


少し熱くなってしまいましたが、『So long, but』が終わった後、燃焼した私は、また一人遊びを黙々としていたのですが、唐突に「あ、私ってそんな大した人間じゃねえわ」と思いました。それは謙遜でも悲観でもなく。俗に言うモブです。それで、長い長い思春期を終えたように思いました。23歳になってやっと思春期卒業って……と自分で自分にドン引きましたが………。
そうした時に、「特別でもなんでもないし、漫画みたいにヒーローやヒロインになれないし、ちやほやなんてされないし、急に自分が評価される都合がいい世の中じゃないし、運命があるとしたら、平等なんてかなぐり捨てられてるようなものだけど……。それでも一人の存在として成立出来ているのなら、それはそれでありかもしれん。」と思いました。そして、俗に言う”モブ”に焦点を当てた人生の切り抜きを作品にしたら面白いのでは?と思いレターツリーを書きました。
一人一人、存在としての人生があり、交わってストーリーが展開していく。現実もそうだと思っています。普段表に出さないものだけれど、人はもちろん何かを考えて生きています。それが理解や共感が出来なかったとしても。身近で間近。長い文章脚本や論文以外で書かないから、このブログを書くのも難しいなあなんて思っています。そして結論はいつも芝居って難しいけれど面白いなあ、辞めないなに落ち着くわけです。



『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』はたくさんの人に支えられながら、今回無事終えることが出来ました。私の演出を理解しながら、舞台に立ちその役として生きてくれた役者、世界観と世界線を立体化して、舞台をつくってくれたスタッフ全部署。本当にありがとう。



そして、今回観に来て下さった方々、本当にありがとうございました!
台風が近づいていて、天候が左右されている時期に足を運んでくださり、観てくださったこと、とてもとても嬉しく思います。
皆さんにとって、『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』の100分に、何かしらの価値があればと思います。

そして、このブログを最後まで読んでくださったことも。



それでは、『レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて』にご来場いただき誠にありがとうございました。


それでは。


2016.10.5
空降る飴玉社 加藤