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京都で活動する演劇団体『空降る飴玉社』のブログ

面と向かってシアター『葡萄色ルージュと空っぽ愛のブルース』

こんばんは。
空降る飴玉社の加藤 薫です。

空降る飴玉社の面と向かってシアター
『葡萄色ルージュと空っぽ愛のブルース』

は、先週7月16日を持って無事終了いたしました。
ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた方々、今作の世界観と舞台をつくり寄り添ってくれたスタッフ一同、そして作品の上で生きてくれた俳優、本当にありがとうございました。

この作品を観てくださった方々、携ってくださった方々の心に残る作品であれば幸いです。向き合うという事はこれから先も必ず誰しもがある行為だと思います。その時に、この作品のことを少しでも思い出してもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。


《余談》
:舞台

さて余談ではありますが、今作品の舞台「葡萄町」は京都の木屋町や三条から四条周辺の小さな通りをモデルにしていました。もしかしたら、所々で出てくるワードやイベントで気がついた方もいるかもしれませんね。京都の夜は温かいイメージがあります。学生の街だから、故郷を離れて様々なところからやってくる若者たち、建物の高さも低くどこか安心感があります。そして、町屋を利用したお洒落で美味しい店や、バー、凝った雑貨屋、大衆居酒屋なんかもたくさんあって夜なのに賑わっています。居心地がよく、温かい、でもその温かさはぬるく、少し冷たさもあって、ひどく安心する雰囲気があって私にはすごく魅力的に思いました。

そんな街をモデルにした「葡萄町」だからこそ、自分の居場所を探し続ける恩が来て、デラウェア、晃がこの街を一度去りながらも、戻ってきたんだと思います。舞台美術と照明、音響がつくってくれた空間にはどこか安心感があって居心地がよく、でも、そこに佇み、見つめている感じがして、「居て」くれました。照明の紫色が甘くも、じっとりとした暑さも、夜の華やかさと鋭利さもありました。祭のコンチキチンや虫の声、バックミュージックが街の様子を、そこで起こっている出来事をみせてくれました。舞台も斜めに使うのは初めてで、十字路とゲストハウス「サマールージュ」、外と中が同居した作りで「葡萄町」に建つ「サマールージュ」が舞台の上に存在してました。


:登場人物
今作では、複雑な人間関係の中で起こる、訳あり、ラブあり、人間ドラマあり!?な群像劇、ヒューマンドラマでした。主人公・恩は劇燐「花に荒らし」の伊藤 優ちゃん。謎の女性(?)・デラウェアは、私加藤。凛子とデラウェアと因縁がある中小企業の次期社長・尚は劇団しようよと虹色結社の藤村 弘二さん。ゲストハウス「サマールージュ」の管理人で、ある秘密を抱える女性・凛子は演劇Unit∮Ringの谷内 一恵さん。凛子の親友を豪語する自由奔放な女性・芙実役はにし ゆりさんが演じていました。登場人物が皆、感情に振り回されて、過去に振り回されて、苛まれて、安心できなくて、でもそこの居心地の良さに縋りついて、でも欲しいものは手に入らなくて。そんな中でぐるぐるしてる人達ばかりでした。狡くて、滑降で、気づけないことで相手を傷つけて、気遣いが空回ってて、人が人に向けるものが多くもありました。もちろんそれだけではなく、それぞれがそれぞれのものと向き合っていました。
私ね、恩や凛子や、芙実みたいな人っていっぱいいると思うのね。ムカつくよね。でも可愛いなあって思うところもいっぱいあるのね。書いたり演出しててぐぬぬっ!こいつ!て思うところいっぱいありましたもん。尚はね、モテるよね。でも優しいって時にはそこにいるだけで救いにはならないよね、でもやっぱり人と人の間には必要だよねって思ってました。晃もね、モテるよね、でも興味がないんだよね、そして優しいようで優しくないし、でも優しいんだよね。それぞれがさ、喋ってぶつける弱さと喋らない弱さがあって、聞く強さと打ち明ける強さがあって、人ってもろくも強い生き物なんだなあって思います。

今作のストーリーで明かされる関係は、尚とデラウェア…晃は兄弟で、尚と凛子は元恋人でした。そして恩がゲストハウスに居場所を見出しながらも常に結婚・“家庭”に対して憧れを持つ矛盾があったり、凛子と芙実は本当に友人と言い切れる関係なのかと疑念を抱いたり、それぞれが当事者なら当たり前に抱く悩みに必死になっていました。

衣裳は登場人物のイメージと作品のイメージを融合して役の立体化に添えてくれました。その人を生きる俳優は、稽古の中で役だけじゃなく、稽古場と座組みと、相手の役とたくさんたくさん向き合ってくれました。


《寄稿について》
今回、『葡萄色ルージュと空っぽ愛のブルース』では、辻企画の司辻 有香さんと、夕暮れ社 弱男ユニットの村上 慎太郎さんのお二人に寄稿をお願いしています。作品がとても好きで憧れていたり、芝居に向き合う姿勢や人柄に憧れているお二人なので、どのような形で寄稿をいただけるのかそわそわし、楽しみにしています。寄稿いただいたものも見つめ向き合いたいと考えています。楽しみにドキドキしながらお待ちしています。(実は空降る飴玉社の「社」は夕暮れ社さんに憧れてのものだったりします。)


《最後に》
今作品は、私加藤が新しい書き方と演出方法で挑んだ作品でした。だからこそ今までどおりにいかないこともあれば、今まで停滞していた部分が動き前進することが出来ることもありました。これから先も演劇を続けて行く中で、観てくださった方に、足を止め見つめ、こぼれ落ちたきらめきを拾っていける作品づくりを目指して行きます。空降る飴玉社のこれからの作品も楽しみにしていただければ幸いです。

それでは、空降る飴玉社の面と向かってシアター『葡萄色ルージュと空っぽ愛のブルース』に、ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた皆様本当にありがとうございました。

舞台監督のよもぎっぎ。舞台美術のB君、いのまっちゃん、塚田ちゃん。照明の金木犀。音響の水野さん、鈴木さん。衣裳の長村、兎深笑ちゃん。宣伝美術のODA。宣伝映像の貴穂ちゃん。制作の溝上さん、チャッキーちゃん。

芙実役のにしさん、制作チーフで凛子役のやっちゃん、尚役の藤村さん、恩役の優ちゃん。
本当の本当にありがとうございました!

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PS.
ちょっと書きすぎたね。ブログ、なかなか難しい。書きたい気持ちが溢れてしまいました…!最後まで読んで下さった方々、ありがとうございます。また次回作でお会いしましょう!
2017.7.23.空降る飴玉社 加藤 薫